ねえねえドクター。今日は心臓の仕組みについて学習するんだよね。
心臓がみんなにあるってことはもちろん知ってるんだけど、心臓がどんな役割をもっているのかなんて考えたこともなかったから今日はちょっと楽しみ♪
うん、今日はね、心臓の仕組みや構造、そして心臓がどのようにからだの中で働いているのかについてもチェックしていくよ。
ところでポンちゃんは心臓がどこにあるか知ってるかい?
「心臓の場所…?」
心臓と言えばやっぱり胸にあるようなぁ…?
そしてぇ、確か胸の左側にあるって聞いたことがあるような気がする。
う~んでもよくわかんないや。心臓ってどこにあるんだろ?
心臓の場所ってたしか胸の左側にあったような気がするんだけどなぁ・・・
なんだかよくわからないや。ねぇドクター教えて。
心臓はね、体の胸の部分の「胸郭」と呼ばれる部分でしっかり守られているんだよ。
心臓は酸素を全身に供給するとっても重要な臓器。だから胸椎と12本の肋骨、肋骨と胸骨の結合部にある肋軟骨(イラスト図では肌色の部分)、そして胸の前面に位置する胸骨等の骨格を形成する幾つもの骨で構成される胸郭によってしっかり守られた部分に心臓が納められている。
尚、心臓の場所は体の正面から見て胸のど真ん中部分にあるんだよ。
色んな骨で構成された胸郭に心臓はしっかり守られているんだね。でも心臓の場所って胸の左側にあるかと思っていたけど真ん中にあったんだね。
心臓はちょうど左右にある肺の中間に挟まれるように配置されている。ただね、心臓の先端部分はやや左側に傾いているんだ。
だから、「心臓は左側にある」とたくさんの人に思われているのかもしれないね。
でもね、実際に心臓は左側部分に傾いているわけだから、胸のやや左側にあるという答えでも当然間違いではないんだよ。
※心臓の場所は胸の中央部分(但し先端が左側に傾いている)
心臓の場所が胸の真ん中にあるなんて知らなかったなぁ…
ところで今日は心臓の働きと構造を学習するって言っていたけど、心臓の中っていったいどんな風になってるんだろう?
おっ?少し心臓に興味が湧いてきたかな?
では、ここで心臓の内部の構造と働きについてちょっとチェックしてみよう。
心臓は大きく分けると左右2つの部屋に分かれていて、2つの部屋は更に上下の部屋に分かれているんだよ。
まず右側の「心臓の構造図」をちょっと見てごらん。
このイラスト図は正面から見た心臓の構造を示している図だよ。
イメージとしては正面に居る向きあった相手側から自分の心臓を見ている感じだね。鏡に映った自分をイメージしても良いかな。
その為、相手側から見ると「右」と「左」が逆になっている点がポイントなんだ。
※心臓の構造を学習する際は正面から見た図面が大半であるため左右が逆になっている事を覚えておくこと(学校の教科書やテストもたぶん左右が逆の正面の図が載っているはずだよ)
図を見ると解るように心臓は左右の部屋の色が少し違っているね。赤い字で右心房・右心室と書かれている部分は全体的に青っぽい色をしていて、反対側の左心房、左心室と書かれている方は赤っぽい色をしている。
この色の違いは、血液の中に含まれているヘモグロビンと呼ばれる酸素を運搬する働きを持つ成分の濃度によって色が変化しているんだ。
ヘモグロビンってなんだろう?聞いたことないや。
ヘモグロビンはね、血液の中に含まれている赤血球と呼ばれる成分を構成する酸素と結びつく性質を持っている成分。
この、ヘモグロビンに関しては赤血球の学習の時に詳しく学習していくよ。
まずここで覚えておいて欲しい点は、心臓の構造は左右の部屋に分かれていて、それぞれ上下に部屋があり4つの部屋で構成されているということ。
そして左右の部屋は右側がなんとなく青っぽくて左側がなんとなく赤っぽいということを覚えておこうね。
ほ~い!
心臓の大きさは、何となくみんな大きなイメージを持っているものでね、バレーボールよりちょっと小さいくらいにイメージしている人がほとんど。
でもね、実際の大きさはソフトボールくらい。自分の体でイメージするなら自分の握りこぶしぐらいの大きさしかないんだよ。
握りこぶしを作ってみたけれど、う~ん…やっぱり心臓の大きさは想像していたよりもず~っと小さかったんだね。
※心臓の大きさは自分のにぎりこぶしくらいの大きさ
この思ったよりも小さな心臓は一生かけて一度も休むことなく体中に酸素と血液を送り届けていくんだよ。
心臓ってそんなに小さいのにすご~い!
そうだね、こんなに小さな心臓という筋肉が一生の間、ずっとず~っと全身に血液を送り届けているんだから心臓という「臓器」は本当にたいしたものだよね。
※心臓も臓器のひとつ
心臓の大きさって結構小さいのに、毎日休まず動き続けているんだね。心臓ってえらい!
そうだね、心臓は産まれてからずっと毎日、毎日休むことなく動いている。ポンちゃんが眠っている時ももちろん心臓は休むことなく動いているんだよ。
ちなみに人間は乳幼児の頃は1分間に90回~100回くらい。
小学生くらいの時期は80回~90回くらい。
そして大人になると1分間に60回~70回くらい心臓のポンプが動いているんだ。
人間の心臓はね、産まれてから亡くなるまでの一生の間に何と約30億回も脈を打っていくんだよ。
※一生の間に心臓のポンプが打つ回数は約30億回程度
えぇ!30億回も打つの?心臓ってとっても体力があるんだなぁ…
ねぇドクター。心臓ってさ、体の中のポンプの役割があるんだよね。
ポンプで血液を体中に送り届けたり、あと「酸素」をからだに運んだりしてるんでしょ?
うん、ポンちゃん良く知っているね。心臓は体中に血液を一気に送り出す為に、2つの強力なポンプを持っているんだよ。
では次は心臓の役割についてチェックしていくことにしよう。
は~い!
心臓の一番の役割はね、体中に血液を送り届けること。ではなぜ体中に血液を送り届ける必要があるのだろうか?
ここで心臓の最大の役割である酸素の運搬(うんぱん=運ぶこと)という役割が出て来るんだよ。
※心臓は2つの強力なポンプを持っている
人間の体はね、細胞(さいぼう)と呼ばれる「たんぱく質」を主体とした小さな小さな組織がたくさん集まってきて体を作っているんだ。
そしてこの細胞はね、「酸素」や「栄養」がないと生きていくことができない。
だからね、この細胞が元気に活動できるようにする為に、全身の細胞に酸素や栄養を常に運びこんであげないとけないんだよ。
呼吸をすると、たくさんの酸素が体内に入ってくるよね。この吸い込んだ酸素を全身に送り込む為には、全身の細胞につながる通路が必要になってくるよね。
体の中でこの酸素を運ぶ通路にあたるものが「血管」と呼ばれる文字通り血の管、血液の通り道のことなんだ。
なるほど~!じゃあ心臓は血液に上手に酸素をのせて体中に酸素を届けているんだぁ。
そうだね、心臓はこの血液を上手に使って酸素を運んだり二酸化炭素を回収したりしてるんだよ。
尚、このように酸素と二酸化炭素の運搬や交換を行うことを「ガス交換」と呼ぶんだ。
※酸素と二酸化炭素の運搬や交換を行うことをガス交換と呼ぶ
この血液のガス交換は「肺循環」と呼ばれるサイクルで行われていて心臓と肺が協力しあって行なう最大の役割のひとつでもあるんだよ。
心臓は大動脈から血液とともに身体中の細胞に酸素を送り届け、細胞は酸素をしっかりと受け取り逆に二酸化炭素を血液に回収してもらっている。
血管の色が赤く見えたり青く見えたりするのは、実際に酸素でいっぱいの血液は鮮やかな赤い色をしていて、細胞から回収した二酸化炭素が豊富な血液は青黒い色をしているからなんだ。
尚、身体中から回収された二酸化炭素は心臓の大静脈から心臓内へ運び込まれて、肺動脈から肺へ送り込まれ、肺の中では肺胞と呼ばれる組織が二酸化炭素を吸収して酸素を送り込んでいる。
この肺胞をによって行われるガス交換で青色の血液は鮮やかな赤色に戻り、こうしてまた酸素で満たされた血液は肺静脈から心臓へ届けられて、心臓は再び大動脈から全身へ血液を送り込む作業を繰り返しているんだ。
肺と心臓はとても仲良しで、とっても重要な働きをもっているんだね。
心臓は2つの大きなポンプがあるってドクターが言ってたなぁ。でも心臓のポンプってどんな仕組みで動いているんだろう?
「ねぇドクター。心臓のポンプ機能ってどうやって動いているの?」
心臓がポンプの働きをしていることは誰もが何となく知っていることだよね。でもその仕組みまではちゃんと勉強をしていかないと少しわかりづらいものでもあるんだよ。
だからここでは基本的な心臓ポンプ作用のメカニズムについて学習していきましょう。
は~い。
心臓には2種類のポンプがあるというお話を先ほどしたけれど、まずは心臓のポンプが「ドクン!ドクン!」と動いている時に血液がどのように動いているのかを知っておくことが重要なんだ。
まず心臓はね、ドクンドクンと収縮を繰り返す時の小さく縮む時のことを「心臓の収縮期」と呼ぶんだよ。
この心臓の収縮期とは、「肺」や「全身」に血液を一気に送り出している時なんだ。
だから心臓が縮んでいる瞬間は血液を心臓が送り出している時と覚えておくことが心臓の仕組みを勉強する上での基本なんだよ。
※収縮期とは心臓から血液を動脈へ送り出している時のこと
次に心臓が大きく膨らんでいる時。この大きく膨らんでいる時は収縮期の逆で「心臓の拡張期」と呼ぶんだよ。
この拡張期の時は、心臓は肺や体内を循環してきた血液を受け入れている時。
※拡張期とは肺や体内を循環してきた血液を受け入れている時のこと
血液が心臓内にたっぷりと送り込まれる為、心臓が大きく膨らんでいるってイメージすると拡張期のイメージがわかりやすいかもしれないね。
うん、それならわかりやすいかも!
心臓が縮んだり大きく膨らんだりするのはずっと休まずに血液を送り出したり、受け入れたりしなきゃいけないからなんだね。
でも一度も休まずに動き続けてるってなんだかとっても大変。
心臓の筋肉の大きさって握りこぶしくらいの大きさしかないのに、やっぱりすごい!
そうだね、心臓の筋肉は私たちが生きていく為に休むことなく収縮を繰り返して体中に栄養や酸素を送り届けてくれているんだね。
心臓の収縮は幾つかの段階に分かれていてね、だいたい1分間に収縮する回数は60回~140回くらいになるんだよ。
だからね、のんびりと過ごした一日であっても、心臓は約10万回くらい収縮をしている。
1日だけでも約10万回、膨らんだり縮んだり、これを毎日毎日繰り返しているんだね。
※心臓は1日で約10万回程度の収縮を繰り返す
10万回ってなんだかすごすぎてよくわかんない。でもねドクター。眠っている時も心臓って動いているでしょ?
腕とか足の筋肉って眠っている時は動かないのに、どうして心臓はずっと動いてくれるの?
ポンちゃん。とても良いところに気がついたね。
心臓の筋肉はね、体の他の筋肉とちょっと違った筋肉になっているんだ。では心臓の筋肉の構造についてお勉強してみよう。
心臓の構造はね、まず右側と左側の大きなポンプに別れているんだよ。2つのポンプと言ってきたのはこの右側のポンプと左側のポンプの2つのポンプがあるということなんだ。
この2つのポンプはねそれぞれ血液を送り出す出口(動脈)と血液を受け入れる入り口(静脈)があってね、それぞれ各部屋に分かれて仕事をしているんだよ。(心臓の構造図参照)
右側のポンプには血液を肺へ送り出す部屋(右心室)がひとつ。そして体を回ってきた血液を受け入れる部屋(右心房)がひとつ。
同じく左側のポンプには血液を体中へ送り出す部屋(左心室)がひとつ。そして肺を回ってきた酸素がたっぷりの血液を受け入れる部屋(左心房)がひとつ。
※心臓は右心室(うしんしつ)・右心房(うしんぼう)・左心室(さしんしつ)・左心房(さしんぼう)の4つの部屋で構成されている
そして、この「4つの部屋の壁」のほとんどは心臓にしかない「心筋(しんきん)」と呼ばれる筋肉で構成されているんだよ。
しんきん?
そう心筋。
この心筋はね、とても丈夫でとっても強い筋肉でできている。どんなにたくさん動いても疲れて動けなくなくなってしまうことはない筋肉なんだ。
手や足の筋肉は動かそうとすると動くよね。でも心臓の筋肉は動かそうとしなくても自分自身の中にある仕組みで動いているんだよ。
これは、脳から「心臓くん動きなさい!」という命令が出なくても自分のちからで動くことができる筋肉であるということが何となく見えてくるね。
だから、たとえ心臓の持ち主である本人が眠っていたとしても心臓はとまらない。
このように意識をしなくても働いてくれる筋肉を総称して「不随意筋」と呼んでいる。
不随意筋は心臓の筋肉を構成する心筋だけでなく、心臓と同じように無意識で活動を行なってくれている体の中の多くの内蔵にかかわる筋肉にも多く存在しているんだよ。
※心筋は意識をしなくても動く筋肉であることから不随意筋(ふずいいきん)に分類される
そっかぁ、心臓の筋肉は心筋でできているから自分で動いてくれるんだね。だから眠っている時だって動いていてくれているんだぁ・・・・
心筋さんありがとう!