ランゲルハンス島は別名「膵島(すいとう)」とも呼ばれる膵臓内部の10%以下の割合で含まれる細胞塊の島・いわゆる細胞の集まりのことを指すんだ。
この名前の由来はドイツ・ベルリン出生の病理学者である「パウル・ランゲルハンス氏」の名前が由来となっている。(※彼の名前が由来となっている医学用語ではランゲルハンス細胞がある。ランゲルハンス細胞とランゲルハンス島は全く別の組織である点に注意)
ランゲルハンス島は複数のα細胞(A細胞)とβ細胞(B細胞)、そしてδ細胞(D細胞)が集まった島となっており、膵臓内部におよそ100万個以上の島が散らばるように点在しているんだよ。
では、ここで「ランゲルハンス島がどのような構造で構成されているのか?」という点について実際にイラスト画像を見ながら学習していこう。
図を見ると解る通り、ランゲルハンス島は3つの細胞が組み合わさってひとつの島が構成されているのがわかるね。
イラスト画像の中では薄い紫色の細胞で最も多くの割合を占めているのがβ(ベータ)細胞。(※B細胞とも呼ばれる)
β細胞は3種類の細胞組織の中では約75~80%の割合を占める主要細胞でインスリンを分泌する働きを持つ細胞。
続いてイラストの薄いピンク色で示されている細胞がα(アルファ)細胞。(※A細胞とも呼ばれる)
α細胞はβ細胞に次いで多く、α細胞が占める割合は約15~20%程度で血糖値を調整するグルカゴンを分泌している細胞組織。
最後に薄いオレンジ色で描かれている最も少ない細胞がδ(デルタ)細胞。(※D細胞とも呼ばれる)
δ細胞はランゲルハンス島全体の約5%程度の割合しかない最も比率の少ない細胞で「ソマトスタチン」を生成する細胞組織なんだ。
ランゲルハンス島って南国の島ではなく、細胞の集まりでできた島ってことだったんだね。